メアドとIDとパスワード

ウインドウズ95を搭載したPCを買ったのは1996年のころ。

たしか日本IBMのAptivaという機種で、ハードディスクは1.6Gだった(←当時は画期的な大容量)。

ほどなくしてプロバイダのS社と契約した。

壁のモジュラージャックに線を繋ぎ、長い時間をかけて読み込み、母ちゃんと初めてNASAのホームページを見た日の感動を覚えている。

だがS社のメアドもついにご臨終のようだ。

9月の末日、「10月末日をもってこのメアドは使用できなくなる」との通告メールが届いた。

11月2日(本日)の17時半すぎ、ついに「パスワードが間違っている、正しく入れ直せ」という警告窓が開いた。

これによってご臨終を知った。南無・・・。

 

 

S社は分社化し、別会社となったN社に私のメアド契約を移管された。

事前に確認メールが届いたが何を言っているのか理解できない内容であったためそのまま放置した。

すると承諾を擬制されたようで、S社との契約をN社に移管されてしまった。

この移管がイカンのは、家族メールのサービスを打ち切られ、母ちゃんのメアドが突然死してしまったこと。

移管は仕方ないとしても、一方的なサービスの縮小はイカン。

これに怒って光回線の契約もN社からD社に乗り換えたところ、上記のとおりメアドの打ち切り通告を食らったという次第である。

 

 

だがS社やN社と喧嘩するのは時間と労力の無駄。

だからさっさと見切りをつけ、猶予期間である1ヶ月のうちに片っ端からメアドを切り換えた。

ログイン時のIDとしてメアドを使っていることもあったので、よく利用するサービスについてはそれも全て取り換えた(つもりである)。

酷い目にあったようだが、意外とメリットもあった。

忘れていたIDとパスを整理し直し、不要なサイトとの関係はバッサリ削除し、旧メアドのご臨終と一緒に迷惑メールも成仏してくれた。

改めて解明してノートに書き出したIDとパス、まじまじと見つめてみた。

その7割以上は覚えていなかった(大半はパソコンが記憶しており、自動的に入力窓に入れてくれていた)。

サイトごとに「パスに大文字も混ぜろ」、「記号も使え」、「以前のパスだから再発行に使えない」、「メアドをIDにするのはダメ」・・・、こんな指示で統一性などない。

早く誰かがこの問題を正面から指摘し、合理的な対策方法を編み出してくれない限り、デジタル世界における無縁仏がどんどん拡大してしまうだろう。

ふと思った。

すっかり存在を忘れていたネット銀行に、1億円くらい貯金していなかっただろうか?(←と言ってはみたが、あり得ない記憶はハッキリしているので虚しい)

 

 

 

 

 

写真は美しく咲いたホトトギスの花。

愛媛県松山市の出身である私は、ホトトギスと聞くと直ぐに正岡子規の俳句雑誌を連想すべきところである。

だが俳句も短歌も大嫌いだ。

いくらでも文字を使って美しく表現できるというのに、自ら手足を縛り、わずか17文字に限定して表現することの意味が全く分からない。

愛媛でこのようなことを口走った場合。

「お前は俳人ではなく、デジタル社会に毒された廃人だ」と言われることだろう。