(帯状疱疹)いつ助成のカードを切れば良いか?
10月11日のNHKクローズアップ現代。
テーマは、「3人に1人が激痛!? 増加する帯状ほう疹 そのワケは?」だった。
妻の祖母、ご近所のKさん・・・いずれも帯状疱疹を発症し、随分長く苦しんでいた。
だからポイントをメモしながら、最後までドキドキしながら観た。
わが西東京市も、50歳以上の市民を対象に、帯状疱疹ワクチン任意予防接種費の助成を行っている。
生ワクチン接種ならば5000円、不活性ワクチン接種ならば1万円/回の助成を受けることができる。
ここで悩ましいのは、「費用助成を受けられるのは、1種類のワクチンのみで、生涯一度限りです」と条件がつけられていること。
早く接種を受けて安心しておこうか? それとももっとリスクが高くなる年齢まで引っ張ってから接種を受けようか?
なにしろ市から与えられたカードは一生に一度だけ、つまり1枚だけである。
このカードをいつ切れば良いのか、時期の選択がとても悩ましい。
一つ言えるのは、帯状疱疹はとても恐ろしい病気であり、あらかじめ正確な知識を持っておくべきものであるということ。
発症時の対応が適切でない場合、長い間後遺症に悩まされ、QOLの低下を強いられる場合もある。
長期にわたって強い鎮痛剤を飲み続けなければ日常生活を満足に送ることができない・・・、登場した方は後遺症のつらさをこう訴えていた。
とても重要な情報であると思うので、このブログで共有を行っておくことにした。
50歳以上の方、特に女性の方・・・、帯状疱疹の怖さを正確に知っていただきたい。
【帯状疱疹のポイント】
① 80歳までに3人に1人が発症する。
② 水ぼうそうに罹って治ったあと、体内にウイルスが残る。何かのきっかけでウイルスが再び増えて暴れ始め、神経に沿って体外に出ようとする。これが帯状疱疹(神経に沿って発疹が出来る)。
③ 発症すると、耐えがたい痒みや痛みに悩まされる。
④ 時間が経って水疱が消えても、長い間後遺症が残る場合がある(稀だが20年~30年に及んだ例もある)。
⑤ 以前は親が水ぼうそうに罹って免疫力を獲得⇒時間とともに免疫力が低下⇒子供が生まれて水ぼうそうに罹る⇒親の免疫力が回復する、という流れだった(ブースター効果)。だが、子供に対する水ぼうそうワクチンが義務化されたことで、子供は水ぼうそうに罹りにくくなったため(以前の1/15に激減)、親におけるブースター効果が期待できなくなっている。そのため、帯状疱疹は右上がりに増えてきている。
⑥ 50代以降で発症リスクが高くなる。特に女性の発症比率は男性の1.6倍である。
⑦ 体内に潜伏しているウイルスが再活動を開始する原因は、ガン、糖尿病、高齢、強いストレスや疲労、免疫抑制剤の使用、自己免疫不全などである。
⑧ 発疹が出る約1週間前からピリピリした痛みが起きる。やがて発疹が表れ、水疱となりかさぶたとなって治癒に至る。
⑨ 最も重要なことは、ピリピリした痛みが続いたとき(遅くとも発疹が出現したとき)、直ぐさま皮膚科に赴いて抗ウイルス薬を投与して貰うことである。
⑩ 帯状疱疹後神経症という辛い後遺症は、ウイルスが体内で増え、大暴れして神経を痛めつけることによって生じると考えられている。神経を痛めつけられる前に抗ウイルス剤を投与してウイルスを叩いておけば、治癒した後に後遺症が残るリスクも低くなる。
⑪ 生ワクチンは、免疫不全症の方には使えない。予防効果は50~60%と言われている。接種の費用が安い。
⑫ 不活性ワクチンは、免疫不炎症の方にも使える。予防効果は90%程度と言われている。接種の費用が高い。
【帯状疱疹ではないかと疑って皮膚科に駆け込むための兆候】
ア 痛みと発疹が同時にある。
イ 症状が体の片側だけに出ている。
ウ 時間とともに発疹が数を増している。
エ 発疹の付近がゾワゾワし、触れた感触が他の場所とは異なる。
オ 過去に水ぼうそうに罹ったことがあり、ストレスや疲労が溜まった状態にある。
カ 何かのウイルスに感染した後であったり、いま免疫抑制剤を使用していたりする。
キ 身内に帯状疱疹を発症して苦しんだ人がいる。
写真は、大学で講義を終え、新所沢駅方面にラーメン屋探しの放浪をしているとき出会った臨済宗のお寺。
フクロウくんの車止めがかわいらしい。